■2002/6/2■

★ 演題 『クローン病・潰瘍性大腸炎の手術の適応と手術の内容』
★ 講師 Y市立市民病院 外科医 K先生

レミケードについて
 ◆レミケード適用になる患者
   ・他の薬物療法の効果が中等から重症の活動期にある
      →1回のみ投与(効果があればもう1回投与できるが、この場合副作用の出る可能性が大)
   ・外ろうあり
      →3回投与

 ◆レミケードによる副作用の具体例
   ・頭痛・吐き気・めまい・発熱・発疹・ショック・結核(結核経験者には使えない)・重症感染症・遅発性過敏症状
    (悪性腫瘍・神経疾患・心不全)
 
◆レミケードの効果
   ・活動期か緩解期への強い導入はあるが、予防法ではない。
   ・効果は投与後、約6週間〜8週間。


その他の新薬について
 ◆経口吸着用炭素製剤(クレメジン)
   ・痔ろう用の薬
   ・30%排膿消失(閉鎖例もある)
 ◆注腸剤の新ステロイド薬
   ・副作用も少なく、普通のステロイド剤が効かない人でも効くそうです。(現在認可待ち)
 ◆インターロイキン
   ・広島の患者会では兼ねてから、このインターロイキンが、新薬としては最も効果が期待できるであろうという情報が
    あったのですが、今現在サイトカインを抑えるという意味ではレミケードが最も良い薬と言われているそうです。
    インターロイキンにはあまり期待は出来そうにないとの事でした。
    (緩解期維持の力は、レミケードもインターロイキンもどちらにもない)


その他
 胃・食道・十二指腸などに病変がある場合
   ・一般的には認められていないが、ペンタサを粉にして飲む方法がある。
    (↑ご自分の勝手な判断ではなく、主治医にご相談ください)
 ◆ペンタサ
   
・ペンタサも、あくまでも活動期から緩解期への導入であり、緩解期維持のものではない。
     (↑私はずっと緩解維持薬と思って飲んでました^^;)
 ◆手術について
   ・ストマでもダメな場合、直腸切断術という方法がある。
   ・直腸膣ろうの場合、Y病院で形成外科との手術によりキレイになったという事例あり。
   ・術後の縫合不全率(H医大1%、Y市民病院2%)
    (↑日本におけるクローン病の手術は、Y市民病院が一番手術数も多く技術面でも良いとずっと思っていましたが、
     H医大の手術もかなり良いとのことでした。初耳でした^^;)