* File 5:トリプル検査 *



嗚呼、あれは忘れもしない、平成12年10月11日のことだった。

「入院中、大腸ファイバーは2回検査したけど、
2回とも私があんまり痛がったために
全部出来なかったんですよぉ・・
だから、大腸ファイバーはきっとムリだと思うんですけどぉ・・」
という私の言葉には、耳を貸してくれず、
「まぁ、大腸から診せて」という主治医の言葉でその日はやって来た。


イヤ〜な検査の唯一の希望は、
もしかしたらクローン患者の人と出会えるかもしれない^^
というものでしたが、
実際は、じじ・ばば軍団ばかりで
私の唯一の希望も泡と消えてしまいました(TT)


私は”ニフレック”が飲めないので、
その旨は、事前に主治医に話していた為、
代わりに”マグコロール”を用意してもらっていたのですが、
”うーん、確かにポカリ風味?でもやっぱり飲めねぇ〜(泣)”状態でした。


氷砂糖と一緒に飲んだら飲みやすいとか?
途中で歩いたり、体を動かすと飲みやすいとか?
色々やってはみたのですが、やっぱりダメで・・・。

しかし、ここで驚いたのが、じじ・ばば軍団の凄いこと、凄いこと。
何が凄いって、ニフレックを飲む速さときたら、
あれは一体何なんでしょうねぇ・・?
「この人たちには、味覚はないのか?いやいや、確かに飲みにくいという
声が聞こえたような。うーん、年の功ってやつ?
悟りの境地ってやつ?なぜ、なぜ、なぁーぜぇー?」


どうにかこうにか半分量は飲めたものの、
どうしても、もうこれ以上は飲めないと悟った私は、
一番優しそ〜な看護婦さんを捕まえて、
「看護婦さ〜ん、もぅ飲めんー(泣)」と
思いっきり、弱々しく訴える。
すると隣の部屋で、胃カメラの検査をしていた主治医がやって来たので
”しめたぁ〜、らっきー。これで飲まずに済むね。フフッ。”
と思い、再び弱々しく訴える私。


しかし、そんな私に、主治医から返ってきたのは、
超驚きの超恐ろしい超信じがたい、アンビリバボーな答えだった。
主治医は言った。
「そーかー、飲めんかー。それならひとついい方法があってなー、
胃カメラでガーッと下剤を入れるんじゃ。」
「・・・・・。えっ?」一瞬自分の耳を疑いましたよ^^;
そして、「もうちょっと頑張って飲んでみますぅ・・・」と答えた私。
とゆうかぁ、、、そう答えざるを得なかった私(TT)


しかし、しかし、しかぁ〜し、
「所詮、飲めんものは飲めんのよ」というのが、
最終的に私が出した結論。
という訳で、急きょ
胃カメラ決定ー!
あぁ、私は一体何の検査をしにきたの?

私は、十二指腸潰瘍がある為、
「何にしても、一度は見せてもらわんとな」と主治医が言っていたので、
てっきり主治医が優し〜〜く検査してくれるものだとばかり
思っていたら、登場したのは、一見ベテラン風の年配の医師。
しかし、外見とは裏腹に、この医者の検査のヘタなこと!!!

胃カメラから下剤をガーッと入れるため、
強烈な便意が一気に来ることを想定して、
あまりキツイ麻酔をかけることが出来なかったということも
あるとは思うのだが、痛いのなんの。

胃カメラの検査は、前年の9月に、
一度経験済みではあったのだけれど、あまりの痛さに、
『わたくしこの年にして、ベッドの上で暴れてしまいました^^;』


マウスピースをしていたために、声は出せないんだけど、
”やーめーてー、飲む、飲む、飲むぅー”と心の叫び(泣)
(↑訳:こんなに痛いんだったら、やっぱり下剤飲みますぅ〜(T□T))


このあまりの恐怖体験のために、あと3年は
胃カメラの検査は出来そうもありません^^;


そうして、何とか胃カメラを終え、いざ大腸ファイバーの検査へ。

しかし、ここでもトラブル?が・・・。
予め、「先生、麻酔ガンガン打ってね!」とお願いしていたにも
かかわらず、やっぱり痛くて、「う゛ー」となっている私に、
主治医は「痛い?これくらいで痛いんか?」と不思議そうに言った。
”痛いから痛いって言ってるのに、痛いって言っちゃいけないの?
これくらいが痛いって、よっぽど私の状態が悪いって事?
それとも私にもっと「我慢せい!」と言ってるの?”

などと、ひとり頭の中で色んなことを巡らせているうちに、
主治医が突然部屋から消えたのです。
”あれあれ〜?なぜにぃ〜?
私があんまり痛がるので、検査しにくいのかな?”
などと思っている私に、
若い医師はこう言った。
「あのね、あなたの腸がね、もの凄く細くなってて、
もうこれ以上カメラは入らないから、
今から造影に切り替えるから。
ちょっと待っててね。」と。


「えっ?何?今何て言った?
造影に切り替えるだとぉ?
だーかーらー、カメラはムリって言ったのにぃー(泣)
それで、私は一体何の検査をしに来たん?」と
しばし呆然としたあと、
大腸造影の検査が始まったのでした(大泣)

検査の結果は、
S状結腸にやや狭窄部分が見られたことと、
下行結腸に極度の狭窄がありました。


私は、発病前こそ異常な下痢でしたが、
エレンタールを飲み始めてからは、便の状態は落ち着いていて
どちらかと言えば、固くて困っているタイプだったので、
フト「もしかして治ったのでは?」とか
「もしかして誤診では?」などと、思ってしまうこともあったのですが、
レントゲンで、自分の細〜〜い大腸を見て
「あー、やっぱりクローンだったんだぁ」と
納得できたのもこの日でした。


検査は辛かったけど、
結果的には、自分の腸の状態をちゃんと知り、
把握することが出来たという点では、
やはり検査して良かったなと思っています。

でも、やっぱり検査は辛くて、イヤですよね〜。