*File 3:第1回入院生活D*



その5:5者面談

5者面談メンバー↓
(私・主治医・担当看護婦・巻き込まれたT看護婦・外科婦長)

”5者面談って一体何?”と思われている方も多いかと思います。
最初にこれだけは言っておきますが、これは決して私が問題患者だったからではなく
私の主治医が問題インターンだったからです!!

私の最初の主治医は、本当に大ハズレでした。
ほんと運が悪かったとしかいいようが・・・
『患者に主治医を選ばせる権利』というのが出来ないもんでしょうか・・。

そもそも、ある日突然
「現代の医学では根治治療がない難病の疑いです」と言われて、
不安にならない人はいないと思います。
私は、自分にクローン病疑いがかかるまでは、
クローン病という病気がどんな病気なのか、クローン病という病名すら
知らずに生きてきていたので、本当に頭の中は『?』
「何?何?クローン病って何?クローン病だったら何がどうなるの?
なんで何も食べたらいけないの?私これから一体どうなるの?」と
とにかく無知ゆえの不安でいっぱいでした。

母に頼んで、図書館で医学書を借りてきてもらったものの、
クローン病に関する記載は、ほんのわずかしかなく、
主治医に「先生、クローン病って一体どんな病気なんですか?」と
至って真面目に聞いた私に対して返ってきた主治医の言葉は
「うーん、僕たちが医者になるために勉強するのに、
必ず試験に出るような有名な病気で、だけど患者数はすごく少なくて
僕はまだクローン患者を診たことはない」というものでした。
絶句でしたね。
これが不安を抱える患者に言う言葉かー!!

こんな事も言われました。
「この病棟で病名が確定してないのはあなただけなんだよね。
病名が確定しないことには、治療方針も出せないし、
まー、みんながあなたのことを注目しているから」と。

こんな風に言われて、私は、むっちゃネガティブに・・・。
「あぁそうか、クローン病っていうのは、すごく珍しい病気だから、
外科の先生達は、私が今後どうなっていくのか興味津々なんだ。
何だか私っていい研究材料?見せ物じゃん(TT)」って、
ずっとそう思ってました。

その後も、2回目の大腸ファイバーに立ち会って、
検査中に病名の告知(?)はするわ、
「とにかく食事療法よ!」と看護婦さんに言われ続け、
『退院したら食事制限守って頑張ろう!!』って
一生懸命前向きに生きていこうとする私に向かって
「あー、ダメダメ!家に帰ったら、みんなどうせ食べるんだから」と、平然と言うし!

食べれないというだけで、相当のストレスを感じる毎日の中で、
こうして主治医から、むちゃくちゃストレスを与えられていた私。
そういった不満を主治医本人に言うことは出来ず、
ストレスはどんどんどんどん溜まっていくばかり。

そして、ついに私の中のストレスを入れる器がいっぱいになって
ストレスが外へこぼれてしまったのです(TT)

今まで、「食べたら悪くなるから絶食してるんだ」と言っていたくせに、
クローン病だと確定診断がおりた途端に、
「じゃあ食事しようか」とだけ言うもんだから、
「あー、食べさせて悪くさせて手術したいんだ」と思いこんでいた私は、
(↑主治医に対して『不信感』の塊になっていた私はこういう取り方しか出来なくなっていた)
「食べません」と断っていたんだけど、
いつから食べるかいつから食べるか」と執拗に迫られ続け、
「ちょっとトイレ・・」と言って(←嘘!)、隙をみて、
IVHで点滴台に繋がれたまま、ついには走ってナースステーションまで逃げ込んだのです。
この時、廊下を全力疾走して逃げる私を追いかけて走ってくる主治医。
まさに地獄絵図。

ナースステーションに逃げ込んだものの、ちょうど申し送りの時間で、
ザッと見渡しても、こういう時に限って仲のいい看護婦さんの姿は見えず(泣)。
私の担当看護婦も居ず。
結局、たまたまこの日、部屋担当だった看護婦さんに話を聞いてもらうことに。
といっても、実はこの看護婦さん、部屋担当になったのも、
この日が初めてで、何となく話しにくそうな感じの人と思っていたので、
少しためらったのですが、そんなこと言ってる場合でもなく。
「え?何、何?どうしたん?」と言っている所へ主治医登場。
ただならぬ雰囲気を感じ取ってくれた看護婦さんのお陰もあって、
「僕今から手術だから、終わったら話しよう」と言って去って行った主治医。

たまたま事件当日部屋担当だった看護婦のTさんに、
今まで感じて来た洗いざらいのストレスを全部話して、
「それはちゃんと主治医と話し合いをするべき」と言われ、
5者面談となったわけです。

5者面談では、言わせていただきました、色々と。
でも、なかなか本人を目の前にして、思ってること全部をストレートに言うということは
さすがに難しかったですけど^^;
とりあえず、これだけは!ということだけは言って、
主治医からもそれなりの謝罪めいた言葉もあり、、、和解?

その後は・・・
退院するまで何となく気まずくなるかなとも思っていたのですが、
逆に言いたいことを言ったお陰で、その後は割と話やすくなりました^^
ってゆーか、結構いじめてやってた(笑)

いつも白衣のボタンを二つ外していたので、
「ねーねー先生いっつもボタン外しとるけど何で?
めんどくさいけん?それともかっこいいと思っとるけん?
あっ、もしかしてピッチではいらんとか?プッ」とか、
ベッドとベッドの間をムリヤリ入ってこようとするので
「ちょっと止めて!ベッドが壊れる」とか。

あっ!でも、誤解しないで下さい。愛のムチです、愛のムチ!
退院する時は、題して『小麦色のブタ』という、アクリル毛糸で編んだ
魔法のタワシを渡したりと(←やっぱりいじめ?(笑))、
いい状態でさよなら出来ましたので^^(ホントかなぁ〜?)

この時の5者面談で、学んだことは、
患者だからといって、医者に遠慮して何も言えないままではいけないということ。
疑問に思ったことは質問するというのはいうまでもありませんが、
不信に思ったことも、その後の主治医との関係をより良いものとして
存続させていくためにも、『自分の思い』というものは、
きちんと伝えていかないといけないんだなと思いました。